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plentyラストツアー「蒼き日々」

 

 

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 plentyのラストライブへ行ってきました。いつものSEを聞いたとき、この曲があまりにも気に入ってYouTubeで何度も聞いていた高校生の頃を思い出してとてつもなく寂しくなった。そのSEを聞きながら三人が出てくるタイミングも変わってなくてなんか嬉しかった。

 

 わたしが青春と共に過ごしたバンド。あれから何年か経ってまたじっくり聞くと、plentyってこういうバンドだったんだなと改めて気付くこともたくさんあった。無邪気に、控えめに、かつしたたか。一見自嘲的だけれど、物凄くタフ。青と赤のスポットライトが最高に似合うかっこいいかっこいいバンド。十代の叫びと二十代始めの悩みをそのときそのままに歌って、だからわたしは昔も今もplentyに励まされてきた。plentyがこんなに生き生きとして力強いバンドだということを高校生のわたしは気付いていなかった。


 江沼とニッチと吉岡さんの三人体制から吉岡さんが脱退して、中畑さんやヒラマさんのサポートを受けながらの活動後、一太くんが正式なドラマーとして加入。中畑さんのドラムが大好きだったので抜けるのは寂しかったけど、一太くんのこともキャブスで見ていたから知った時は嬉しかった。あまりの嬉しさに衝動でチケットと新幹線の切符を買って向かった三人になっての初ライブ「三十分一本勝負」を今でも覚えてる。若手バンドみたいで可愛かった。同じライブなんて二度とないってこと、plentyのライブを見るとよく思う。あの日も、今日もそうだった。

 

 一太くんのドラムが加わってバンドらしさの強みを増して、わたしが少し離れていた間にplentyってバンドが目指すうちの一点に辿り着いたように見えた。その経過を少ししか見られなかったのを勿体無かったなと思うと同時に、後悔してももう遅いということを痛感してさらに後悔する。演奏中、手より口より気持ちが先に出たがってるのを抑えきれないような江沼を見ていると、わたしも立ってるだけで心拍数が上がった。息をする音も唾を飲む音も煩く感じるほど夢中になった。三人とも様子は至っていつも通りで、それは「ここはひとつの通過点だ」と三人が受け止めているようにも思えて嬉しくて、やっぱり悲しかった。こうして歌う江沼も、江沼を見る優しい目のニッチと一太くんも、わたしはもう見られないんだ。二人もあの定位置から江沼を見ることがもうすぐなくなるんだ。そう思うと本当にただ悲しくて、身体から力が抜けていった。

 

 毛皮のマリーズandymori、plenty、学生時代特別大好きだったバンドがどんどん解散して行く。やるせない気持ちになる。ライブを見ながら「ああこの感じだ」と嫌な感覚を思い出した。最後のライブはいつも辛い。終わってほしくないって何度も何度も思った。でも終わってしまった。どんどん変化し続けたplenty。わたしにとっては、どんな形であってもずっとちゃんとバンドだった。変化は生きているということそのものだし、何を感じて、何を越えてそう変化したのかっていうところが江沼はいつも面白くて好きだった。でも、こんなにも早くお別れが来てしまうなんて、こんな変化は嫌だ〜〜。まだ受け止めきれない。でも漠然と、三人に幸せな未来があればいいなあと感じました。あの頃のわたしを支えてくれてありがとう。ずっと特別で、大好きなバンドplenty。終わりの先はまだまだ長いだろうけど、どんな形でも、またどこかでその道が交わってほしいと思いました。そして何より、わたしはもう行けないけれど、ラストツアー、ラストライブの成功を心から祈っています。